2011 年 67 巻 2 号 p. 92-108
本論は,都市内鉄道路線のような線状構造施設を対象とした地震時のシステムリスクを論ずるものである.システム信頼性理論,およびシステムを構成する要素の地震時損傷相関を考慮した機能停止期間算定法により,理論的なフレームワークを構築した.
基本3モデルおよび都市内鉄道路線を設定して,数値シミュレーションを実行/考察し,主要な出力となる,地震イベントリスク曲線,復旧曲線,ボトルネック指標を提示し,それらの有用性について考察した.本論にて提案する地震時システムリスク解析は,SRM(Seismic Risk Management)/リスクマネジメントとBCP/事業継続計画策定のための支援情報として,有用的かつ効果的であると考えられる.