2012 年 68 巻 1 号 p. 40-51
本研究では,道路利用者の乗り心地を評価するための走行性指標を提案するため,車両走行中の運転者および同乗者の生体脈波をセンシングし,人間の感覚的な観点からの道路の乗り心地を評価する手法を提案するとともに,舗装マネジメントにおける乗り心地指標の適用可能性に関する検討を行った.走行試験によって計測された生体脈波を用いて,路面の不陸や段差が道路利用者に与える乗り心地の程度を定量評価するとともに,生体脈波のカオス解析によって得られたリアプノフ指数を利用して複数道路の乗り心地の区別化を行い,舗装マネジメントのための乗り心地評価指標を提案した.