抄録
製品やサービスを提供するための有効な管理技術の一つであるバリュー・エンジニアリングは,公共工事においてコスト節減のための方策として着目されているものの,その管理技術としての有用性は建設業において十分に理解されているとは思えない状況にある.本研究は建設業の立場から建設業のバリュー・エンジニアリングと製造業のそれとを対比することにより,建設業におけるバリュー・エンジニアリングの特徴と問題点を明らかにし,建設業のバリュー・エンジニアリングは簡明でなければならないことを示して,それを実施するための一手法を具体的に提案するとともに,今後,バリュー・エンジニアリングの適用に関して建設業が目指すべき方向について述べたものである.