2013 年 69 巻 4 号 p. I_137-I_144
日本国内では,砒素など自然由来の重金属類を含む土壌や岩石が広く分布しており1),建設工事において重金属を含む地質に遭遇する事例が増えてきている.これら重金属類を含む土壌や岩石を掘削するトンネル工事では,周辺環境への負荷を低減するために様々な環境対策が求められている.
重金属類を含む掘削ずりへの対策を実施するためには,掘削ずりの定量分析が必要となる.数日を要する分析期間中の対応として,掘削ずりの仮置きにおける飛散・流出防止など,周辺環境への負荷低減を図ることが求められている.本研究では,重金属を含む掘削ずりをオンサイトで迅速に分析し,情報通信技術を活用した実務的利用を目途とした管理システムを構築することで,重金属を含む掘削ずり処理への道筋を示すことができた.