2017 年 73 巻 1 号 p. 19-25
地震等の災害発生直後から発生する緊急輸送を円滑に行うために各自治体が緊急輸送道路を指定している.橋梁長寿命化修繕計画では緊急輸送道路上の橋梁を優先的に補修等を行うとしているが,計画期間中において緊急輸送道路がネットワークとして適切に維持されるかについては十分に検討されていない.本研究では橋梁の劣化に伴う地震等の災害による破壊リスク増大を考慮した場合の緊急輸送道路ネットワークの切断リスクについて分析を行った.リスクを有する橋梁が比較的少数であっても,ネットワークの切断リスクが大きくなることが確認された.また,地域的な特徴からネットワークの切断リスクが偏在し,ネットワーク接続性を考慮した維持管理を行う必要性が示唆された.