2018 年 74 巻 2 号 p. I_119-I_129
橋梁の老朽化が進む中で,橋梁の廃止も踏まえつつ道路利用者の利便性を保てるような補修戦略の必要性が,より一層高まっている.このとき,多くの交通が利用する橋梁を優先的に維持・管理していくことに加えて,他の橋梁が廃止されたときに代替路として利用される可能性の高い橋梁も維持・管理しておくことが道路ネットワークのリダンダンシーを保つ上で重要となる.本研究では,こうした橋梁間の代替関係を効率良く把握する方法として橋梁連関表を提案する.さらに各橋梁の代替路としての重要性を表す指標として代替重要度を提案する.愛媛県宇和島市が管理する橋梁に提案手法を適用した結果,現状では少数のODペア間の移動にしか利用されていない橋梁であっても,代替重要度は高い値を示し,複数の橋梁の代替路として利用される可能性が高いことが確認された.