2018 年 74 巻 2 号 p. I_41-I_49
著者らは,岐阜大学SIP地域実装プロジェクトの一環として,各務原大橋(長大PC橋)の定期点検へのロボット技術の取り入れを試みている.はじめにロボット技術を用いて「事前調査」を行い,次にその調査結果をもとに,橋梁全体の近接目視点検を実施する.ロボット技術に対する要求性能を明示するとともに,ロボット技術の機能・性能を検証した.ロボット技術には,部材の点検要領における健全性区分がII以上となりうるか否かを判断可能な性能を求めた.「事前調査」では,3種類のドローン技術と2種類のロボットカメラ技術を組み合わせて用いることとし,最初に橋梁全体を対象としてコンクリートひび割れ損傷以外の損傷を検出するロボット広域調査を行い,次にひび割れ損傷を検出するロボット狭域調査を実施することを提案した.