2019 年 75 巻 2 号 p. I_256-I_264
本研究では,故障率を有する部材の取引において,逆選択とモラル・ハザードの問題を克服する誘因両立的な性能水準,支払,保証期間をモデルを通じて理論的に明らかにした.また,部材の寿命をワイブル分布で仮定し,部材の故障型の違いによる保証期間の長短を比較した.その結果,調達者は保証期間を適切に設定することによって,逆選択の問題を生じさせることなく調達者が望む性能水準の部材を入手できるが,調達者の効用は調達者の部材の判別能力に依存することが明らかとなった.さらに,部材の故障の性質と最適な保証期間との関係を明らかにした.