2019 年 75 巻 2 号 p. I_247-I_255
本研究では,都市間道路の震災・豪雨等による途絶・復旧が地域経済に及ぼす時系列の影響を評価可能なマクロ計量経済モデルの理論的枠組みを示した.モデルでは,都市間道路が途絶した場合には移輸出の減少がもたらされるとの仮説の下,これらを外生変数として考慮した.さらに,道路途絶時には,各原材料の搬入減少率のうちもっとも大きな減少率に等しい割合で平均労働時間指数と民間資本稼働率指数を減少させることにより,道路途絶が潜在生産力に及ぼす影響を分析できるものとした.
また,和歌山県を対象に四半期ベースの実証モデルを構築し,県中部の御坊市が道路途絶により孤立するケースを想定し,道路途絶や復旧時期が和歌山県経済に及ぼす影響について,シミュレーション分析を行った.分析の結果,道路途絶の影響は復旧後も長期に渡って継続すること,早期復旧は長期に渡って地域内総生産の減少を緩和することなどが示唆された.