2022 年 78 巻 1 号 p. 184-191
地方では公務員や建設業の従業者の減少などにより,インフラの維持管理人員を継続的に確保することに懸念が生じており,今後,道路の巡回パトロールにおいても限られた人的なリソースのもとで,より効率的に巡回する必要性が高まると考えられる.しかし,日々の巡回を計画するに際しては,過去の巡回の履歴を踏まえ,管理している多くの区間からその日に巡回する区間を適切に選択する必要があり,経験と勘を中心とした選択には限界がある.そこで本研究では,巡回ルートの候補が予め与えられているという前提をおくことで,計算量の増加を抑えうることに着目しつつ,日々における道路の巡回の計画を立案するための手法を混合整数計画法に基づいて開発する.その上で,実際の地域への適用を試みる.