2022 年 78 巻 1 号 p. 81-98
わが国では,戦後の高度経済成長期の社会インフラ整備に伴って,建設産業は大きく発展した.あわせて設計及び施工技術がそれぞれ進歩し,各種マニュアル化が進む中,地盤構造物に関わる事故やトラブルの回避・抑制に向け継続的な取り組みがなされている.その一環として,地質・地盤リスクマネジメントを地質技術者と地盤技術者を中心に関係者が協働して実践していくことが試みられている.本論文では,地盤構造物の設計法の変遷についてレビューし,より一般化された人工物工学の設計の定義に基づいて,地盤構造物およびその設計を新たに定義することを提案する.筆者らは,本提案は,地質・地盤リスクマネジメントを推進していく上での基礎的な考え方として有効であると考えている.