わが国の流通は消費者ニーズや企業間競争等から多段階・小規模・多頻度といった特徴を有し、これに多業種の商慣行が絡み合って複雑化しているが故に物流面で非効率を招いている.その結果,効率性を無視した物流サービスが提供されて道路交通への負荷が大きくなり,渋滞や環境問題を引き起こしている.
このようなことから本研究では,物流面で非効率を招いている商慣行を抽出し,それらが物流や貨物車交通に与えている影響を把握した上で,効率化に資する改善策を明らかにすることを目的に,文献調査や事業者へのヒアリング調査を行って現状を把握するとともに,既存の統計等から,商慣行改善による貨物車交通への負荷軽減の効果,効果的な商慣行改善策とその実現に向けた課題を明らかにしたものである.