抄録
交通市場は,他の市場と異なり,需要量が発生交通量/OD/手段/経路/リンクとさまざまな集計レベルで表現されるという特徴を持つ.したがって交通プロジェクトの便益評価の際に,どの集計レベルで計測すべきか,という問題が生じる.この問題に対し,本研究は,内部整合的な交通需要予測モデルと価格指標を利用する限りでは,どの集計レベルの便益評価値も理論的に等しくなることを示す.この性質は,Nested Logitモデルを代表とするランダム効用理論と整合的な任意のモデルの場合,経路レベルの選択が確定的(完全代替的)な場合,任意のODレベルの需要関数を想定する場合,それぞれで成立することを明らかにする.また,この理論的性質の適用性について円山ら(2003)のモデルを用いて実証的に検討する.