抄録
朝市などの非定常型のマーケットを中心市街地再生のきっかけにしようとする試みが現在各所で行われている.このような朝市の買い物行動は,日常のそれと比較してグループ来訪に卓越した点が見られると類推される.そこで本研究では倉敷市で開催される朝市の来訪者にアンケート調査を実施し,グループ行動の基本的な特性,及び関連する要因を定量化した.分析の結果,単独来訪者と比較して,グループ来訪者は朝市を非日常的なレジャーと明確に位置づけており,その一方でグループ来訪者のリピート性や支出額は単独来訪者より相対的に低いことも明らかになった.さらに,いわゆる観光地を訪れるグループ行動と比較して,朝市へのグループ来訪者の交通環境負荷は低く抑えられていることをあわせて明らかにした.