抄録
本研究では,事業の社会的便益,ならびに,その長期的最大化,関連主体間の合意形成の得やすさなどの観点から,バリアフリー施設の整備優先順位を評価するための複数の評価基準を設定し,それぞれの基準に従う整備優先順位を探索した.その際,経年的な優先順序の比較においては極めて多数の組み合わせが考えられるため,遺伝アルゴリズムを用いて,各基準に従う整備優先順位を探索した.対象地域として京都市をとりあげ,交通バリアフリー法の法制度や自治体・公共交通事業者の予算制約を考慮し,多数の重点整備地区において複数の事業者が関連している状況下における整備優先順序について分析した.さらに,各評価基準に基づく整備優先順位を,実際に京都市が策定しているバリアフリー全体構想に基づく優先順位とも比較し,その特徴を明確化した.