土木学会論文集D
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和文論文
昆虫(コオロギ科)の発音を刺激とする場合の音の評価に関する日本人とアングロサクソン系欧米人についての比較研究
安藤 昭赤谷 隆一
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2007 年 63 巻 2 号 p. 233-241

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抄録

 本研究は,コオロギ等昆虫の発音を刺激とする場合の日本人とアングロサクソン系欧米人の音の評価とその意味について比較検討したものである.分析の結果,比較的馴染みのない刺激音であるアングロサクソン系欧米人においては,昆虫の種によって“騒音”を想起させる聴覚反応または“自然風景”を想起させる視聴覚反応として処理され評価は低い.一方,馴染み深い刺激である日本人においては,昆虫の種にかかわらず“原風景”を想起させる視聴覚反応として処理され,総じて評価が高いことが明らかとなった.本研究によって,特定の地域や場所の基調音がどのように形成されていくかを解明する新たな手掛かりを得た.

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© 2007 社団法人 土木学会
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