2006 年 62 巻 1 号 p. 129-144
2方向の曲げを受ける RC 長方形断面長柱が,ねじりを伴って破壊したことが報告されている.著者らは,このねじり現象は RC 断面のせん断中心の移動に起因するものと考えた.本研究では,シェル要素解析により,図心軸に2方向水平荷重を受ける RC 中空断面柱にねじりが生じることを確認するとともに,RC3 次元ファイバーモデルに薄肉構造部材の曲げ理論を適用することによりせん断中心の移動量およびせん断中心の移動により発生する付加ねじりモーメントを算定する手法の提案を行った.提案手法を用いてパラメトリック解析を行った結果,2方向入力を受けるRC断面はひび割れ,鉄筋降伏等により非対称な断面抵抗機構を形成するためせん断中心が移動し付加ねじりモーメントが発生することがわかった.