抄録
本研究はフライアッシュの物理・化学的特性とアルカリシリカ反応（ASR）抑制効果の関係を評価し，その機構を考察したものである．フライアッシュのASR抑制効果は比表面積と非晶質SiO2量の影響を受け，その影響度は比表面積が非常に大きいこと，また粗粒かつ高CaO量含有フライアッシュはASR抑制効果が低いことを明らかにした．さらに，フライアッシュを細骨材代替として置換した場合もセメント代替と同様の傾向を示した．本研究では，フライアッシュの物理・化学的特性を評価する指標Ψを提案し，本指標とASR抑制効果に良好な相関関係があることを明らかにした．また，セメントのアルカリ量の低下に伴いフライアッシュの物理・化学的性質がASR抑制効果に与える影響は小さくなることを示した．
