2018 年 107 巻 4 号 p. 771-778
近年,アレルギー疾患の増加と疾患機序の解明と共に,分子標的薬の登場により,治療戦略は新たなステージに突入している.特に気管支喘息は,2012年に発売されたomalizumab(ゾレアⓇ)に始まり,2016年にはmepolizumab(ヌーカラⓇ)が上市され,難治性喘息患者はその恩恵を享受しているが,未だ分子標的治療には課題も多い.本稿では,主に気管支喘息を対象とした分子標的治療の現状と将来について,基礎的検討から臨床治験や臨床試験の結果も含めて概説する.