抄録
コンクリートの軽量化に対するニーズは潜在的に大きいと推察されるが,軽量骨材を使用することによる管理業務の煩雑さ,軽量コンクリートの引張強度の低下および経済性の問題などが実用化の促進を阻んでいると考えられる.本研究では,遠赤外線減容処理を施した発泡スチロール廃材を細骨材代替とした軽量モルタルを研究開発の対象とした.本稿では,構造材として必要な圧縮強度を確保するための配合条件を明らかにするとともに,各種静的強度を実験的に求めた.また,その前段階として,最も懸念される事項である材料分離特性を,ペーストの粘性から定量化することで実用的な配合条件の提案を行った.