抄録
本論文では,各種ポルトランドセメントに粉末度4000および6000の高炉スラグ微粉末をそれぞれ混和した広範な組成をもつ高炉セメントを試製し,高炉セメントの水和反応と微細構造形成との関係について実験および解析的検討を行った.高炉セメントの反応により生成するC-S-Hゲルのキャラクターは,ポルトランドセメント系とは大きく相違し,C-S-Hの保持するゲル水の割合は水和全過程を通じて一定でなく,水和後期において増加することが実験的に示された.そこで,高炉セメントでの空隙構造形成モデルにおいて,C-S-Hゲルの保有空隙率をスラグ反応率に応じて増加するパラメータとすることで,空隙構造の微細化や長期強度の増進といった高炉セメント硬化体の特徴的な現象を良好に再現することが可能となった.