抄録
土木計画事業において,市民との対話を円滑に進めるためファシリテーターやメディエーターといった第三者が必要とされ,その養成が行われてきている.そうした養成だけでなく,われわれは当事者である対話の場の参加者が主体的,自律的に対話を行えることが重要だと考える.しかし対話能力を育成する機会および場は少ない.そこで,こうした能力育成を行う場として大学教育に着目し,大学生を対象とした授業プログラムを研究開発した.このプログラムは,ワークショップ型授業として設計しているため,対話能力の改善ポイントを学生へフィードバックし,学生自身の気づきを促進させることに力点を置いている.この授業プログラムに基づき,土木工学を学ぶ大学を対象に授業を実践し,その効果の測定と課題の把握を行った.