抄録
技術者能力として重要な能力の一つにエンジニアリングデザイン能力がある.エンジニアリングデザイン能力を育成するための教育の基準は,すでに,ABET がEngineering Design criteria 2000として発表している.わが国においては,JABEEがワシントンアコードに加盟したことによって,エンジニアリングデザイン教育の必要性を強く示している.一方,最近ではASCEが「21世紀の持続可能な社会基盤整備のあり方に関する幾つかの提言(案)」を発表し,将来の土木技術者が有すべき能力をまとめBOK2として提言した.この中で,エンジニアリングデザイン能力は持続可能な社会基盤整備を担う技術者が有すべき能力の重要な能力として位置づけられている.本論文はこれらの背景を考察した上で,大学教育におけるcivil engineering design教育のあり方を思考し,具体的な教育プログラムの設計とその試行的な実践について述べている.