2011 年 67 巻 6 号 p. II_415-II_426
本研究は,林地残材をペレットとして利用している足寄町を対象に,さらなる林地残材の拡大利用を目指した林地残材拡大熱利用システムの事業規模決定のための方法論を検討した。特に足寄町周辺の熱利用施設へのアンケート調査により,代替燃料としてのペレット購入希望価格,配送距離及び平均1日ペレット使用量からなる熱需要構造を明らかにした上で実行可能な事業規模の算出を試みた.その結果,119 kmの配送距離の範囲内で,合計12施設,ペレット量2,627 t/年の熱需要を明らかにした.そして灯油価格が105円/L、A重油価格が97円/Lにまで値上がりしたと仮定すると,1,800 t/年の事業規模であれば,ペレットは配送費を加えた販売価格で全て売却されるので事業として成立する可能性があることを明らかにした.