抄録
土壌汚染浄化技術の評価指標RNSOILを用いた,計画的開発目標設定手法を提案し,合理的に改善点を見出す方法を示した.農地のディルドリン汚染を想定し,開発段階にある,木質炭化素材に分解菌を集積させた資材を用いたバイオレメディエーションのRNSOIL値が高温熱脱着などの競合技術のRNSOIL値を下回ることを基準として,改善項目とその目標値を設定した.浄化期間と微生物を木質炭化素材に定着させる培養槽の最大培養量を改善項目とし,RNSOIL値の感度評価を行った.RNSOILの構成要素である,汚染による人の健康被害リスクと浄化に係る総費用およびCO2排出量の定量には,それぞれリスクアセスメントとライフサイクルアセスメントを用いた.目標達成に必要な改善項目,あるいは改善効果の大きな項目をRNSOILによる解析で明らかに出来ることを示した.