2012 年 68 巻 5 号 p. I_261-I_266
本研究は日本の水資源を保全する上で重要な山地流域の河川の流況を流域特性値から推定する手法の開発を目的として,豊水量・平水量・低水量・渇水量と流域の気候的・地理的特性値の関係を重回帰分析した.その結果,年間降水量は豊水量・平水量・低水量の増加要因,建物用地と黒ボク土壌の面積率は平水量・低水量・渇水量のぞれぞれ減少要因,増加要因であることがわかった.また,紀伊半島以西の流域では,得られた重回帰式と流域特性値から豊水量・平水量・低水量・渇水量が精度よく推定できた.