抄録
水道における水供給では,安全性に加え,おいしさも追及した給水を実現するため,送配水システムにおける残留塩素濃度の管理が課題となっている.配水システムは,給水所配水池,配水本管,配水支管等で構成され,配水方式や需要の時間変動に伴う複雑な残留塩素の消費が生じている.本論文では,配水システムを一体的に捉える残留塩素減少モデルの構築を試みた.実施設における水質測定結果をもとに給水所内配水池において水質由来と揮散による残塩濃度減少速度モデルを定式化し,得られたモデルと水道GISモデルを組み合わせることで,提案モデルが残留塩素濃度の挙動を追跡可能で実用的なシミュレーションモデルであることを示した.さらに,提案モデルと水質調査の行われた給水栓において残留塩素濃度の比較分析を行い,給水における残留塩素の低減化について考察した.