抄録
広瀬川河川水を中心に,環境中に生息する細菌捕食性の原生動物に関する解析を行った.また,湧水,地下水,土壌浸出水についても同様の解析を行なった.主としてCupriavidus属細菌を被食者として利用したが,細菌種の影響を評価するため,Pseudomonas属細菌,Bacillus属細菌,Rhodcoccus属細菌についても試験を行った.広瀬川で複数の採水地点を設定し,捕食実験を行った結果,全地点において原生動物が確認され,被食者の細菌の種類によらず,多くのケースでChrysophyceae(黄金色藻網)に分類される鞭毛虫が捕食者として出現した.また,湧水,地下水,土壌浸出水を対象に,同様の捕食実験を行った場合でも,本系統の原生動物が出現し,自然界の捕食者として主要な役割を果たしていることが示唆された.