2012 年 68 巻 7 号 p. III_401-III_408
本研究はエタノール・酢酸・硫酸塩を含む人工廃水を用いてHRTを48 hから2 hまで変化させた連続実験を行い,UASB処理に及ぼすCOD容積負荷の影響を評価した.COD容積負荷が12.3 g-COD/L/dの条件で,86.5%以上の高いCOD除去率が得られた.HRT3~12 hの条件において流入CODの47.5~54.4%がバイオガスメタンに変換され,21.4~28.0%が硫化物に変換された.UASBリアクターに保持されたグラニュールの平均粒径は1.8 mmであり,その平均沈降速度は96.5 m/hであった.また,グラニュールのメタン生成活性(MPA)と硫酸塩還元活性(SRA)の測定結果に基づき高濃度硫酸塩条件下でのエタノールの分解経路を考察した.