抄録
フルボ酸第二鉄錯体とシデロフォア(desferrioxamine B)のリガンド交換反応に及ぼすpHおよびイオン強度の影響をpH 6.0から9.0,塩化ナトリウム濃度0.01 Mから0.7 Mの範囲で調べた.反応速度を観察した結果,pH 8.0以上において,pHが高いほどリガンド交換反応速度定数が大きくなることが明らかとなった.またpH 8.0以下においては,リガンド交換反応速度定数は少なくともオーダー単位では変化しないことが示された.イオン強度に関しては,リガンド交換反応速度定数への有意な影響は見られなかった.これらの結果は,特に沿岸域や海域,アオコが生じた淡水湖等のpHが8.0を超える水域において,pHがリガンド交換反応速度定数へ及ぼすことを示している.