抄録
宮城県名取川流域において,HSI(Habitat Suitability Index)から算出された種多様性(HSI種多様性)と2006年における現地調査により得られた4種水生昆虫の遺伝的多様性の関係性を評価した.HSIモデルは地理データ(土地利用,勾配など),分布型流出モデルから算出した水理情報を基に6種水生生物に関して構築したものを使用した.結果として,ウルマーシマトビケラの3種遺伝的多様性指標がHSI種多様性と有意な正の相関を示した.HSI種多様性が高い場所においては水生生物の生息ポテンシャルが高いと考えられる.このため,対象種の移入・定着が容易になるに従い遺伝子流動性が高まり,結果として遺伝的多様性が増加したと推測される.