抄録
循環資源の環境利用は,循環型社会形成には必要不可欠である.循環資源と土壌は区別するものとされるが,環境利用には土壌汚染対策法と同じ基準値が採用されている.土壌を区別する以上,循環資源に適したリスク評価方法を行うべきである.製鋼スラグ中のフッ素の環境利用におけるリスク評価方法として,クリアランスレベルのシナリオの適用を検討した.検討の結果,土壌汚染対策法の基準値では,製鋼スラグの環境利用に関して過剰なリスク評価となっている.周辺住民の環境資材からのフッ素の摂取量は,クリアランスレベルのシナリオ適用時には,1/10~1/100となる.シナリオの選択から,人へのフッ素の摂取経路のパラメータより,循環資源に土壌汚染対策法基準値の10倍の値としても,人の健康リスクを脅かすものではないと考えられる.