抄録
森林による水源涵養機能の重要性は,我が国では緑のダムとして一般にも認知されているが,定量的評価は不十分である.岐阜県中津川市の森林集水域を対象とし,長期水文観測データを用いたタンクモデル係数の長期変動の解析により,緑のダム機能の解明,評価を行った.第1段タンクの側方流出孔係数は森林の生長に伴い減少傾向を示し,洪水緩和機能の向上を確認した.一方,森林の生長による変化は主に表土層厚,粗大孔隙の増加であり,地下水帯への浸透に関する基岩の割れ目等は増加しないとし,タンク下部浸透孔の係数が経年変化しなくとも側方流出孔係数の経年変化のみでピーク流量を低減し,地下水涵養量増加させる効果があることが示された.