抄録
水資源の安定及び持続的な確保は水ストレスを軽減させる上で必要不可欠である一方,農業による灌漑やダム湖への貯水などの人間活動が流域内の水収支に及ぼす影響は非常に大きいと考えられる.このような背景から全球スケールを対象とし人間活動の影響を考慮した陸面過程を再現するモデルが近年開発された.本研究は同モデルを北海道全域に適用し,その特徴並びに妥当性を明らかにするとともに,将来的には日本全域において水資源の効率的な活用方法を提示しうるモデルの構築を目指すものである.本論文では農業用灌漑活動が水熱収支に与える影響に特化した評価を行った.またモデルの再現するダム放流量については大雪ダムを対象に観測データとの比較を実施したところ年間取水量に関してある程度の妥当性が示された.