抄録
住民・世帯属性と地区特性による各種低炭素技術導入の効果の違いを分析するため,世帯各個人の生活スケジュールから世帯単位のCO2排出量を推計するモデルを構築した.これを用いて,名古屋都市圏の都市・近郊・郊外の3地区を取り上げ,ICT依存型ライフスタイル(テレワーク,シェアハウス)の普及,スマートハウス導入,地域内でのエネルギーの面的利用を対象に,CO2削減効果を分析した.その結果,1)低炭素技術の導入が進むにつれ,交通活動よりも太陽光発電の影響が卓越すること,2)面的利用を導入した場合,土地利用や世帯構成が多様で負荷平準化が図れる近郊部で効果が大きくなること,3)テレワーク普及によって,現状では郊外部でCO2削減効果が見込めるものの,将来的にCO2増大の可能性があること,を明らかにした.