抄録
熱帯低気圧が地域環境に与える影響を定量的に調べるためには,熱帯低気圧の経路や強度といった社会・環境被害との関連が強いと考えられる性質を基に,熱帯低気圧の特徴を抽出することは有効だと考えられる.しかし熱帯低気圧の観測データは,観測の時間ステップ毎の緯度,経度,中心気圧等からなる多変量データであり,その特徴の抽出は容易ではない.そこで本研究では,自己組織化マップ手法を用いて,熱帯低気圧の経路・中心気圧から,1951年~2010年に北西太平洋で観測された熱帯低気圧のパターン抽出および分類を行った.更に,各パターンに分類された熱帯低気圧の傾向を調べたところ例えば,非常に中心気圧が低くなる熱帯低気圧と対応の強い熱帯低気圧経路が同定された.また,中心気圧が大きく低下するパターンの熱帯低気圧は,熱帯低気圧の持続時間が長い傾向にあることが確認された.