2013 年 69 巻 5 号 p. I_79-I_84
東北地方太平洋沖地震による様々な被害から,我々は既存のライフスタイルを考え直す必要に迫られたが,重要であるはずの環境問題について震災後語られることが少なかった.しかし,我々の子孫が住み良い地球を受け継いで行くには環境を巡る様々な問題に真摯に対応する事が重要である.また近年,中国の急激な経済成長の付けとして大気汚染が深刻化し,越境汚染による日本への影響も大きな問題になっている事から,環境に対する認識を新たにしていく必要がある.このような背景のもとで,近年,小・中学校,高等学校では「総合学習の時間」を活用して環境教育への具体的な取り組みがなされている.この取り組みは環境についての関心や問題意識の高い人材を育てることが目的である.本論文では,2010年から茨城県ひたちなか市内の小学校で実施しているICT利用による環境教育プログラムが3年目を向かえた.その成果と今後の課題について報告する.