抄録
本論文は,安全でおいしい水の安定供給を目的とした残留塩素(以下,残塩)濃度の管理方法について研究を行った.送配水システムにおける残塩濃度の複雑な挙動を把握するために,水道GISを用いて残塩濃度の挙動をシミュレーションすることで,適正な残塩濃度管理による残塩低減化を目的とした検討を行った.今回は,東京都東部に位置する東南幹線の送水系統とそれに属する4つの配水区域をモデルとして,浄水場から配水管網末端までを考慮した残塩濃度シミュレーション分析を行い,浄水場における残塩低減について定量的に評価を行った.更に,4つの配水区域にある各給水所で追加塩素装置を導入した場合についてシナリオ分析を行い,追加塩素による塩素添加量の削減効果及び,給水区域内における残塩濃度の平準化効果について明らかにした.