抄録
水道事業の取り組むべき課題の一つに省エネルギー化が挙げられる.水道事業における電力使用量の60%以上が送配水過程に関連することから,どこの浄水場からどの配水池を経由して水を送るのが最も合理的なのかといった,水運用の最適化問題が電力使用量の削減において重要な研究テーマとなっている.本研究では,送配水システムの電力使用量の削減を目的とした最適化モデルを提案し,実際の大規模かつ複雑な送配水システムを対象にしたシミュレーションを試みた.対象システムに関して,実際の水運用を再現するために配水池の貯水量の増減を実績値とする制約を設ける等,より実態に即したモデルを得ることができた.また,提案モデルを用いたシミュレーションにより,電力使用量の削減効果がどの程度期待できるのかを明らかにした.