抄録
2012年10月に地球温暖化対策税が導入された.わが国初の本格的な炭素税の導入であり,今後の地球温暖化対策の重要な役割を担うツールといえる.しかし,税の導入はDeadweight lossをもたらす.そのため,税の導入に伴うCO2排出削減効果とDeadweight lossがもたらす経済的影響を慎重に見極めた上で今後の環境税制の方向性を議論することが重要といえる.そこで本研究は,応用一般均衡(CGE)モデルを用いて地球温暖化対策税のCO2排出削減効果とその経済的影響の計測を行った.特に,本モデルは運輸部門,その中でも自家輸送部門への影響を詳細に分析できるように改良されている点に特長がある.