抄録
我々は, セルロース系バイオマスを前処理, 酵素糖化により資源を回収することでプロセス全体のコストを低減させ, 糖化残渣をメタン発酵によりエネルギーを回収する多段型の資源化プロセスを考案している. 本研究では, きのこ廃菌床を対象とし, 多段型の資源化プロセスの前処理としてNaOH処理を適用し, NaOH処理が資源回収に及ぼす影響について検討した. NaOH処理によってリグニン, シリカ, 糖の溶出が確認され, 2.0%-NaOHのプロセスにおいてそれぞれ30%(W/W), 38%(W/W), 25%(W/W)の溶出率であった. さらに, 酵素糖化における糖回収量の増加, メタン発酵におけるメタン回収量の増加が確認され, 最終的に全工程を通して, 2.0%-NaOHのプロセスにおいて約51%の資源の回収が可能であった.