抄録
2011年3月11日に起きた福島第一原子力発電所の事故によって放出された137Csは, 周辺地域の面積の約7割を占める森林地域に拡散しており, 長期にわたり森林生態系中での滞留が予想される. 森林地域での効果的な除染を行うためには, 森林中の放射性セシウムの今後の動態を予測することが必要であることから, 本研究では, チェルノブイリ原発事故後に開発された森林内137Cs動態評価モデルを参考に, 今回の事故による137Csの森林土壌中深度分布を評価するモデルを開発し測定データを用いて検証した. このモデルを用いて, 現時点での除染効果の将来予測を行った結果, 落葉樹林では有機層と表層2cmまでの土壌の除染した場合に効果が顕著であるが, 針葉樹林では除染後の再汚染のために効果が小さいことが予測された.