2013 年 69 巻 7 号 p. III_355-III_361
本論文では, 水道施設の中で管路施設の維持管理に着目し, 配水管路の老朽化に伴う危険度のリスク評価に関する研究を行った. 水道管路の老朽化に伴う漏水事故は都市活動において甚大な被害を及ぼすため, その予防保全対策が課題となっているが地中に埋設されるためその維持管理が非常に困難である.
そこで, 平成13年度から平成22年度の10年間で集計された東京都23区内の漏水修理件数データを用いて, 管路の事故率モデル式を新たに提案した. さらに, 本研究で提案したモデル式を用いた地域詳細メッシュ内の漏水事故件数の推定および将来シミュレーションによるシナリオ分析に水道GISを活用することで, 管路施設の事故危険度を定量的にメッシュ評価することが可能となった.