抄録
公開空地を提供する都市開発に対して容積率を加算する制度がある.この制度を環境配慮型の再開発等の都市開発に拡大して低炭素性能の向上を図る方策が検討されている.しかし,計画段階で評価・認定するため,運用段階の低炭素化の取り組みを十分に担保できない弱点がある.本研究は,省エネ,創エネによる低炭素化を目指し,残る系統電力等分については再エネを購入すると約束する開発地区に対する容積率緩和制度を新たに提案し,その適用可能な条件を明らかにする.具体例を用いた試算では,再エネ購入の追加費用は容積率割増分の賃料の約1割に相当し,事業者の収支はプラスとなった.各種費用と賃料の値に不確実性はあるが,一定地域の開発地区に本制度を導入可能であり,ゼロカーボン等の目標達成を誘導する効果が期待されることを示した.