2014 年 70 巻 7 号 p. III_285-III_294
土壌浸透処理を組み込んだ水再利用システムでの再生水飲用によるCampylobacter jejuniが引き起こす健康影響を障害調整生存年数(DALYs)により定量化することを試みた.DALYs推定に必要な情報である下水処理水中C. jejuni濃度は9.2~1.2×104MPN/Lであり,滞留時間10日間の土壌浸透処理による細菌類除去・不活化能は5.06~6.81log10と安定して高い除去・不活化効果が確認された.また下水処理水中にギラン・バレー症候群(GBS)発症関連菌株が確認され,リスク評価に対してGBSによる健康影響を組み込む必要性があることを示した.そして再生水飲用によるDALYsの定量化を行い,再生水直接飲用のケースで3.96×10-4DALYs人-1年-1(平均値)と推定された.