抄録
下水再利用を目的とし,下水処理場の二次処理水を用いて凝集と膜ろ過を組み合わせた処理によるウイルス除去法を検討した.凝集剤としてPAClを添加した試料をUF膜に通水する処理では,処理系全体でのウイルス除去能は3-log程度であった.このため,凝集処理を施しても一部のウイルスがUF膜を透過することが考えられた.そこで,ウイルスの凝集処理への影響因子を整理し,その最適化を試みた.二次処理水中の成分について,pHと溶存有機物はウイルスの凝集効果に大きく影響することが示唆されたが,0.01μm以上の濁質粒子の影響は軽微だと考えられた.凝集剤として適量のPAClを用い,試料pHを5程度とすることでウイルスのフロックへの移行/吸着を最大化可能であり,本凝集処理水を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過することで,7-log程度のウイルス除去が達成できた.