抄録
パイロシークエンシング法を用いることによって,カキに蓄積したノロウイルスGIIの網羅的遺伝子解析を行った.ダイレクトシークエンシング法やクローニングシークエンシング法に代えて,パイロシークエンシング法を用いることによって,数%の割合で存在するような比較的マイナーなノロウイルスの遺伝子も,高い確率で検知できることが実証された.検査対象とした全てのカキからGII.4 Sydney2012亜型が85-100%の極めて高い割合で検出され,また,一部のカキからは10%及び15%の割合でGII.6型が検出された.流域内の感染状況との比較から,カキ中に優占して蓄積しているノロウイルスは,同一シーズン内,または直近のシーズンの1月以降に流域内で発生した感染者の体内で増殖したノロウイルスに由来していることが示唆された.