抄録
景観整備に対する社会的要請を背景に,道路舗装分野では軽交通路に適応可能な景観舗装技術の開発が期待されている.なかでも,自然石舗装は自然景勝と調和する主に歩道を対象とした工法であるが,車両の乗入れによって頻繁に補修を要するなど,結果的に景観を害し,不経済となる場合もある.本研究では,経年とともに風合いを増す石構造物の環境・景観的価値を見直し,石板の繰返し利用を前提とした軽交通路用自然石舗装の開発を試みた.この結果,目地部へのアルミナボールの挿入によって石板の沈下や傾斜,移動に対する耐久性が向上し,さらに目地砂として少量のアスファルトを締固めることで雨水等による流失が抑制されることを確認した.また,実施工に先立って,目地材の配合と品質を明らかにし,現場で実施可能な品質管理試験について検討した.