抄録
本研究では食品卸売業・小売業から発生する混合食品廃棄物について, メタン発酵による処理特性とメタン発酵導入によるエネルギー回収・温室効果ガス削減効果等について検討を行った. 単槽メタン発酵及び二相循環式メタン発酵ともに良好な運転性能が得られ, CODとVSの分解率はそれぞれ81.7%~86.3%, 72.6%~79.1%と高い値であった. メタン発酵及び発電を行うことにより多くの電力と熱エネルギーの利用が可能になるだけでなく, 補助燃料・焼却量・最終処分量の削減に伴い約78%の温室効果ガス排出量の削減が可能になることが示され, 食品廃棄物のメタン発酵を積極的に行うことの有用性が示された.