土木学会論文集G(環境)
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和文論文
地中熱交換器内の熱媒体温度挙動を用いた地層別有効熱伝導率の推定
阪田 義隆葛 隆生翟 健長野 克則
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2016 年 72 巻 3 号 p. 50-60

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抄録

 本研究では,地中熱交換器の熱応答試験において,2本の光ファイバー温度計をUチューブに挿入し,熱媒体の往き還りの温度挙動を測定することで,地層別の有効熱伝導率を推定する手法を提案する.従来の線熱源理論に基づく解析法を適用し,計算に必要となる温度の時間変化は光ファイバー温度計の多点測定データから層内で平均し,熱交換量は温度の深度勾配の往き還りの和から求める.その際,測定データは系統誤差の校正と偶然誤差を最小とする平均処理で補正する.北海道旭川市での解析事例では,有効熱伝導率は層厚20m以上で安定した推定値が得られ,最上位の砂礫層の値は他2層より約1.5倍高い結果となった.また3層の層厚重み付け平均は従来法の結果と整合し,スムージング,ブートストラップ法,回復時法とデータ処理を変えても結果に差はなかった.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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